マンションリフォームで、できること・できないこと
マンションのリフォームでできること・できないこと
まずは、どこが「専有部分」でどこが「共用部分」なのかを確認しましょう。バルコニーや玄関ドア、サッシなどは専有部分のように思えるかもしれませんが、実は共用部分です。
共用部分は基本的にリフォームができません。
専有部分であっても、マンションの構造そのものに関連することかそうでないかが、リフォームで「できること」の判断基準になるのです。
間取り変更はここまでできる!
一般的な鉄筋コンクリート造のマンションは、部屋と部屋を間仕切る壁は壊せる場合がほとんど。そのため、「2部屋をつなげて1部屋にする」といった間取り変更ができます。ただし、配管の移動に制約があることから、水まわり設備の位置を大きく移動することは難しいことが多いです。
水まわりの配置はここまで変えられる!
キッチンやバス、洗⾯所、トイレといった⽔まわり設備がどれくらい移動できるかは、配管や排⽔勾配の状況をリフォーム店が確認してから判断することになります。仮に配管を移動できない場合でも、洗⾯所と浴室の位置を入れ替えるといった間取りの変更が可能なケースもあります。そうした工夫を凝らすことによってスペースを有効活⽤し、使い勝⼿のよい快適な空間にすることができますよ。ただし、配管が階下の住⼾の天井裏を通っているような場合は、移動が難しいこともあります。
天井高の変更はここまでできる!
基本的に、天井を高くすることは可能です。一般的にマンションの天井裏は、数十センチの空間が設けられており、この天井裏も専有部分となります。そのため、天井板を外して空間を少なくし、居室の天井高を高くすることができるのです。
ただし、梁が出る、配管が露出するなどのデメリットを伴う場合があります。
内装の変更はここまでできる!
住戸内の内装、例えば壁材・床材・天井材の張り替えや塗り替え、内装ドアの交換などは基本的に自由です。ご自分の好みに合わせて、素敵な内装リフォームを計画してください。マンションの管理規約では階下に音が響かないために床材に規定を設けていることが多いので、材質を選ぶ前に確認しておくといいですね。
そのほか、壁や天井の内側に断熱材を入れるといったリフォームも可能です。
窓の変更はここまでできる!
ベランダのサッシは共用部分になるため、サッシ本体を交換することはできません(ガラスのみであれば可能な場合もあります)。一方、窓の内側は専有部分にあたるため、断熱性を高めるための内窓設置などは可能です。
玄関ドアの変更はここまでできる!
玄関ドアは共用部分になるため、ドア本体を交換することはできません。ただし、ドアの内側は専有部分にあたるため、塗り替えをしたり、補助鍵を設置することは可能です。
コンセントの移動・増設はここまでできる!
コンセントの移動は大抵できますが、数を増やすことには制限があります。コンセントを増やすと電気の使用量が増えるケースが多いので、契約アンペア数の見直しも同時に検討すると安心です。
また、オール電化や床暖房の設置などで大幅に電力使用量を増やす場合は、事前に管理組合に各住戸の使用可能な電力量を確認しておきましょう。
リフォームできない部分
ベランダやルーフバルコニーは共用部分なので、リフォームはできません。また、排水管や給水、ガス管、電気配線用のパイプスペースも共用部分となるため、移動できません。配管の移動を伴うような大がかりなリフォームは、マンションでは難しいことが多いです。
併せて、マンション特有の決まり事もチェック
分譲マンションでは、すべてのマンション住人が快適な生活を送れるよう「管理規約」が定められています。多くの場合、床の仕上げ材や電気、ガス容量など設計に関わる内容のほか、工事の際の搬入経路、工事時間の制約などリフォーム中のルールが細かく記されています。リフォームのプランを立てる前に、確認してみましょう。また着工前には、工事範囲や期間を管理組合に届けておく必要があります。
ここでは、特に気をつけておきたい2つのポイントをご紹介します。
床材をフローリングに変更する場合
もともとカーペットだった床をフローリングに変更する場合、起こりがちなのが「音」の問題。フローリングはカーペットに比べると遮音性が低いため、足音や生活音が階下に響きやすくなります。そのため、管理規約では床材の遮音性能や「フローリングへの変更は1階の住人のみ可能」といった規定があります。まれに、すべての住戸で禁止されているマンションもありますから、事前のチェックが必要です。
電気容量も忘れず確認
リフォームの際にIH調理器や食器洗い乾燥機、床暖房を新たに設置したいという方もいらっしゃいます。この場合、確認しておきたいのがマンション全体の電気容量です。マンション全体の容量が少ない場合、新規設備やガスから電気への変更ができないことがあるためです。ガスの場合も同様で、ガス床暖房など消費量が増える設備を新たに導入したい場合には、あらかじめ確認しておきましょう。